2012年3月22日木曜日

「アイリッシュ・ウイスキーは今『黄金時代』」——ホットアイリッシュマン創業者が語る販売戦略(ビジネス&リーダーシップ)

ホットアイリッシュマン創業者、
バーナード・ウォルシュ氏
(同社オフィシャルサイトより)
先月20日の本サイトで、ジェイムソンの輸出による快進撃を記事にした。
しかし、タイトルに付した「ジェイムソンのひとり勝ち」という点については、訂正しなければならないだろう。
ウイスキー、リキュールのメーカーであるホットアイリッシュマンの創業者、バーナード・ウォルシュ氏は「アイリッシュ・ウイスキーは新たな『黄金時代』を迎えている」と述べているからだ。

Hot Irishman to target ten new countries(ビジネス&リーダーシップ)

2007年までのホットアイリッシュマンは、8ヶ国にしか輸出していなかった。
しかし、販売戦略の核に輸出を据え、現在は30ヶ国に同社の製品が輸出されている。
結果、この2年間で取引高が50パーセント超の上昇を見せ、出荷量の90パーセントは輸出向けになっているという。
「特に今のような不透明な経済の中では輸出先の国を増やすのは重要なことだ。今後数年のうちに、あと10ヶ国ほど輸出先を増やすつもりでもいる」
ウォルシュ氏はこう述べた後、「しかし」と付け加える。
「それ以上に増やすことは、取引の管理が難しくなるだろう」
積極的な輸出を目指しながらも、身の丈を考えた慎重な姿勢も崩さない。

ホットアイリッシュマンの輸出戦略はスコッチ・ウイスキーの輸出先を踏襲しながら、同時にアイリッシュ・ウイスキーが輸出されていない国に売り込みをかける、というものだった。
「たとえば、韓国やカザフスタンなどは我々が最初に動いたことによって、アドバンテージを得ることができた」とウォルシュ氏は振り返る。

ただ、ホットアイリッシュマンの商品は競合するものと比べて高めの価格設定がされている。
これについてウォルシュ氏は「我々は最も良い原料を使用しており、製法に関して近道を取ることはしない。コーヒーリキュールやクリームリキュールを生産しているが、これも本物のコーヒー、クリームを使用している。ターゲットにしているのが、より高水準のものを求めている消費者だからだ」と自信を持つ。
また、商品の独自性もホットアイリッシュマンの特徴だ。
「我が社のウイスキー、『ザ・アイリッシュマン70』は70パーセントのシングルモルト(筆者註:ブッシュミルズ原酒)と、30パーセントの単一の蒸留器で精製されたウイスキーをブレンドしている。こうしたレシピはアイリッシュ・ウイスキーの中でも他にない」

冒頭述べた通り、アイリッシュ・ウイスキーで好調なのはジェイムソンだけではないようだ。
それを示すように、アイリッシュ・ウイスキーのグローバル市場での成長率は、2011年において20パーセントを超えると予測されている。

(あす23日は更新を停止します)

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