2012年3月13日火曜日

トマーチンとグレングラント、同日に声明を発表するも対照的なものに(Scotsman.com)

昨日、スコッチウイスキーのトマーチン蒸留所が今後の経営計画を、同じくスコッチのグレングラント蒸留所を傘下に収めるカンパリ(イタリア)は2011年の業績を発表した。

Contrasting fortunes for two whisky distilleries(Scotsman.com)

まずトマーチンが発表したのは、香港上海銀行(HSBC)との取引を開始し、新興国を中心とした輸出拡大を目指すというものだ。
トマーチンは経営危機にあった1985年、日本の宝酒造に買収され、初めて日本企業の傘下に入ったスコッチの蒸留所として知られる。
シングルモルトの他、「アンティクワリー」と「ザ・タリスマン」という2つのブレンデッド・ウイスキーを生産しているが、今後、新興国での人気が高いシングルモルト市場に力を入れていく模様。

HSBCは英国資本の香港に本店を持つ銀行で、世界76ヶ国に展開している。
そのネットワークを通じて「成長性のある地域について、HSBCは我々の海外営業チームに対して積極的な支援をしてくれている(ロバート・アンダーソン トマーチンCEO)」と、財務面だけでなく、営業面においてもサポートしていく構えだ。
なお、直近の融資の有無や、その具体的な金額については明らかになっていない。


一方、カンパリが発表した2011年の業績は、投資家を落胆させるものとなった。
カンパリ全体の売上は12億7千万ユーロ(約1,400億円)で税引前利益は2億5,060万ユーロ(約270億円)、ともに2010年より上昇している。
しかし、グレングラント単体での業績は売上で前年比0.9パーセント増と、横ばいに留まった。
2010年の業績は、前年比8.8パーセントの売上増であったため、市場はグレングラントの業績向上に期待を持っていた。
カンパリはアペロール(リキュール)とワイルドターキー(バーボン・ウイスキー)が新興国市場で売上を伸ばすことにより、ヨーロッパ市場の成長鈍化分を補填することを期待している。

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