2012年4月1日日曜日

グレンフィディック、ラベルの鹿をせんとくんに変更(WSJオリジナル記事)

1日よりグレンフィディックのラベル
に描かれる、せんとくん
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酒類コングロマリットのウィリアム・グラント&サンズ(英、グランツ社)は1日、シングルモルト・ウイスキー「グレンフィディック」のラベルデザインを変更すると発表した。
グレンフィディックにはこれまで鹿のイラストが描かれてきたが、今回のリニューアルにより、せんとくんが描かれるという。
せんとくんは平城遷都1300年の際に定められた奈良県の公式マスコットキャラクター。

事の発端は、昨年開催されたイベント「ウイスキー・ライヴ!TOKYO 2011」に遡る。
同イベントのために来日したルーフル・リプイエ グランツ社プロモーション・ディレクターは、都内にある奈良県のアンテナショップ前を通りかかったとき、初めてせんとくんを目にした。
「こどもの頭に鹿の角が生えているということが、何より衝撃的だった」とリプイエ・ディレクターは当時を振り返る。
しかし、グレンフィディックはゲール語で「鹿の谷」という意味であり、これまでもロゴマークに鹿を描き続けてきたことから、「同僚に紹介したら、社内で瞬く間に人気キャラクターになった(リプイエ・ディレクター)」とグランツ社の人々にも親近感を与えたようだ。

その後、東日本大震災が発生。
「『我々の心は常に日本の人々と共にある』ということを伝えたいと考えていた。そのときグレンフィディックに、東京で見かけたあの鹿少年に登場してもらえないか、とひらめいた」とリプイエ・ディレクターは経緯を語った。
そして、グランツ社からグレンフィディック日本総代理店のサントリー酒類へ、サントリー酒類から奈良県へと、せんとくんの採用が打診される。
「当初は奈良県も難色を示していた。せんとくんの商標使用には厳格なガイドラインが定められていたし、何より『酒のラベルに、せんとくんを使うのはいかがなものか』という意見も県庁内にあったようだ」と相場康則サントリー酒類社長は振り返る。

しかし、グランツ社、サントリー酒類、そしてサントリー本社は奈良県と粘り強く、かつ極秘裏に交渉を続け、構想からおよそ1年を経て今回の発表・商品リリースに漕ぎ着けた。

せんとくんが描かれたグレンフィディックは、1日より出荷される。

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