2012年12月11日火曜日

ディアジオ、サントリーと共同でビーム買収か――ホセクエルボ買収交渉は決裂(テレグラフ他)

 ディアジオ(英)、サントリーが共同でビーム(米)買収を計画していると、複数メディアが報道している。

Diageo plots move on US rival Beam(テレグラフ)
Smirnoff maker Diageo in talks with rivals about acquiring Beam(同)
サントリー:米「ジム・ビーム」買収を検討、海外展開を強化(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MESQRP6JTSEG01.html

 最初に伝えた英紙テレグラフによると、既にディアジオとサントリーは接触を持っており、背景にはゴールドマンサックス、シティグループ(以上、米)、UBS(スイス)といった銀行団の助言があるという。情報源もシティ関係筋としている。実行に移された場合の買収額は100億ドル(約8240億円)に上ると見られる。

 サントリーは2009年に清涼飲料水ブランド「オランジーナ」(仏)を傘下に収めるなど、海外戦略を進めてきた。同年にはキリンとの経営統合が進められたが、条件面での折り合いがつかず決裂した経緯もあり、今回の買収交渉が始動した場合、同社の歴史の中で最大規模の買収・経営統合案件となる。また、ブルームバーグによれば、サントリー単独でもビームを買収する可能性も検討されているという。
「買ってみなはれ」――と言
うかどうかはともかく、サン
トリー創業者・鳥井信治郎も
草場の陰で驚きつつ、成り行
きを見守っているかもしれな


 一方、ディアジオは先月、スコッチ・ブレンデッド・ウイスキー「ホワイト&マッカイ」などのブランドを保有するユナイテッドスピリッツ(インド)の買収を決定したばかり。

 そして、世界シェア首位のテキーラ・ブランド「ホセクエルボ」(メキシコ)買収交渉を、昨年より進めてきた。しかし11日、ディアジオはこの交渉が終了したこと、ならびに来年6月の販売契約終了以降、同ブランドの取扱いを停止することを発表した。ホセクエルボ創業家であるベックマン家が売却に難色を示しており、またビームも有力テキーラ・ブランド「サウザ」を保有することから、手を引いたものと見られる。

プレスリリース

 日本市場においては、サントリーとビームは提携関係にあり、9月には関係強化を図る方針で合意していた。また、ディアジオはキリンと提携関係にあることから、国内流通網に関わる動向も注目される。


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