2012年11月13日火曜日

ロシア政府、アルコール規制策を続々と(SFゲート/ブルームバーグ)

With Presidential Adviser and Chairman of the Council for Civil Society Development and Human Rights Mikhail Fedotov (right), First Deputy Chief of Staff of the Presidential Executive Office Vyacheslav Volodin, and Presidential Aide Igor Shchyogolev (far left).
ロシアのプーチン大統領(右から2人目)。
規制は健康なロシア人を生み出すか、それとも
米禁酒法の二の舞になるのだろうか……
ロシア政府が課税、深夜帯の販売規制など、同国民のアルコール摂取を抑制する政策を打ち出している。
国民の平均寿命(68.8歳、ソース)が世界平均を下回るなどの健康問題は、アルコールに原因があると考えているためだ。

Whiskeys face alcohol crackdown in Russia(SFゲート、配信元:ブルームバーグ)

この政策の皮切りとなったのが、2010年のビール増税。
税率を倍増させるもので、2007年と2011年のビール消費量を比較すると2.4%減少しており、ある程度の効果を見せている模様だ。
また、23時から翌朝8時までのアルコール飲料の販売、公共の場所での飲酒、テレビ・ラジオ・看板によるアルコール商品の広告が、既に禁止されている。

マーケティング会社、ユーロモニター(英)のスピロス・マランドラキス(Spiros Malandrakis)アナリストは、「立法によって(アルコール業界が)規制される大きな動きが続いた。クレムリンの怒りを買わぬよう、慎重に動かなければならない」と分析している。

一方、ビーム(米)のマシュー・シャトックCEOは「ロシア市場では、そのような現実を理解することも競争する能力のひとつだ。我々はそれぞれの市場にあるルールの中で競争しなければならない。ときには、ルールの方が動くこともある」と静観する。
ロシアのアルコール産業は昨年、4.6%の市場規模縮小、なかでも国民酒といえるウオトカ(ウォッカ)は4.9%、市場が縮小している。
それにも関わらず、ウイスキーは48%、テキーラは45%、市場が拡大した。
もっとも、未だにアルコール消費量の約8割はウオトカで占められウイスキーは1%のシェアに過ぎないが、消費者の嗜好が変化しているという点は現実に変わりない。
これを受け、ビームはテキーラ「サウザ」、コニャック「クルボアジェ」、スコッチ・ブレンデッド・ウイスキー「ティーチャーズ」のマーケティングを、ロシアにおいて展開している。

ロシア政府は現在、2020年までに1人あたりの年間アルコール消費量を8リットルまで削減する目標を立てている。
ヴィクトル・ズブコフ第一副首相が昨年12月に発表したところによると、以前18リットルだった年間消費量は15リットルとなっており、着実に削減されている。

来年末には酒税をさらに30%、増税する計画がある。
プーチン大統領の目論見通りアルコール消費は減るのか、それとも消費者の嗜好、メーカーの思惑が規制そのものを変えてしまうのか――両者の戦いは、しばらく続きそうだ。


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