2012年12月16日日曜日

エミレーツ、スコッチ・ウイスキーの輸出を支える――ドバイ−グラスゴー線の輸送量拡大(ヘラルドスコットランド)

 今年6月、エミレーツ航空(UAE)のドバイ−グラスゴー(英スコットランド)路線が1日2往復に増便された。先月には貨物630トンを輸送し、同路線としては最繁忙の月になったという。

 この業績を支えるのが、スコットランド産の魚介類、そしてスコッチ・ウイスキーの貨物輸送だ。

Emirates in high spirits as whisky exports soar(ヘラルドスコットランド)
http://www.heraldscotland.com/business/markets-economy/emirates-in-high-spirits-as-whisky-exports-soar.19645279

 「ウイスキーの輸送は船便だと考える人もいるだろうが、突然、在庫がなくなることもある。中東諸国にはそれだけの(ウイスキー)需要がある」と語るのは、エミレーツのローリー・ベリーマン英国アイルランド担当副社長だ。同社は今年、100万kgのウイスキーを輸送した。ベリーマン副社長によると「ボトルに換算してもおそらく100万本程度」に上り、ダイヤモンドがちりばめられた50万ポンド(約6700万円)のシーバスリーガルなど希少価値の高いボトルも空輸した。

 また毎日21時(英国時間)、ドバイに向けてグラスゴー国際空港を飛び立つエアバスA340-300機には、マテ貝、カキ、あるいはサーモンなど、スコットランドで漁獲された生鮮食品も積み込まれる。翌朝8時15分に到着し、ドバイのレストランで利用されるものだという。

 グラスゴー市役所のスコット・テイラー・マーケティング局長は「1日2往復の増便が大きな成功を見せているのは、明らかだ。中国、インド、オーストラリアなどからの訪問者も増えており、大きなビジネスの輪を形成したという点で大きな一歩。グラスゴーの競争力に特筆すべき後押しを加えてくれた」と増便による成果を喜ぶ。

 UAEへのウイスキー輸出額は昨年、8200万ポンド(約110億円)に達し、前年比16%増となっている。スコッチ・ウイスキー協会のローズマリー・ギャラガー・コミュニケーションマネージャーは「(ドバイが)中東やその他アジア地域においての、流通の交差点となっている。船便が主流だが、航空便では少量注文や迅速な対応が可能だ」と、UAEへの輸出が順調な理由、空輸によるウイスキー輸出が持つ意味を説明する。

How we fly これまでエミレーツは、同路線にボーイング777−300ER機(写真)とエアバス機の2機を投入していた。昼に出発する便はボーイング機、夜の便は前述の通りエアバス機による運航だ。しかし好調であることからから年明けより2便とも、輸送能力の高いボーイング777での運航に切り替わる。


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