2014年1月14日火曜日

サントリー、ビーム買収を発表――総額1兆6千億円

 国内酒造大手のサントリーホールディングスは13日、米酒造ビームとの間で行っていた買収交渉が妥結したと発表した。発行済み株式を1株あたり83.5ドルで取得し、買収総額は160億ドル(約1兆6550億円)。

 今回の買収交渉は2012年12月、複数メディアが報じたことにより明らかになっていた。直後に、サントリーは子会社であるサントリー食品インターナショナルの株式公開を決定し売却益をビーム買収に充てるのではないかと見られていたが、手元資金のほかに三菱東京UFJ銀行からの借入も利用し、株式取得を進めるという。また、当初は酒造最大手のディアジオ(英)とともにビームを買収し、ビーム保有のブランドを分け合うのではないかとの見方もあったが、結果的にサントリー単独での買収となった。

 すでに両社は業務提携を結んでいるため、サントリーの日本国内での販売ブランドに大きな変化が起こるわけではない。だが、バーボン・ウイスキー「ジムビーム」「メーカーズマーク」、スコッチシングルモルト「ラフロイグ」などビームが保有するブランドは、サントリーの傘下に入る。また、同じくビームのポートフォリオに含まれるテキーラ「サウザ」はカテゴリー内世界2位の販売量で、同「ホセクエルボ」買収が頓挫したディアジオもブランド取得を目論んでいると見られていた。今回の買収劇は、世界のスピリッツ産業の勢力図に新たな変化を生み出すかもしれない。


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