2012年11月14日水曜日

「アメリカンラム協会」が発足――バカルディ、ディアジオなどの大企業に対抗(イグザミナー)

 ラム蒸留業者の業界団体「アメリカンラム協会」が12日、発足した。米本土を拠点とする企業が中心で、中小規模のメーカー80社以上が参加する。

American Rum Association established to unite domestic manufacturers(イグザミナー)
http://www.examiner.com/article/american-rum-association-established-to-unite-domestic-manufacturers

 米領ヴァージン諸島(USVI)、プエルトリコ(米連邦自治区)のメーカーは参加していない。同協会の趣旨は、アメリカンラムの普及促進、地位向上にあり、大企業による生産が行なわれるこれら地域のメーカーを、排除した格好だ。

 創設者でレイリーン・ディスティラーズ(テキサス州)代表のケリー・レイリーン氏は、次のようにコメントしている。
「『アメリカンラム』の品質基準を確立するときだ。アメリカンラムというカテゴリーや、中小企業である蒸留所の成長を阻害しているのは、USVI、プエルトリコでの不公平な助成金である。助成金を受け取るバカルディやディアジオといったグローバル企業は、何の保障も受けていないアメリカンラムに対して、自由市場での競争を抑圧している。アメリカンラム協会は、こうした悪習を明らかにするとともに、雇用促進など米経済の再興に寄与したい」

 なお、カリブ地域の業界団体である西インド諸島ラム製造者協会が、カリブ共同体を通してディアジオをWTOに提訴する構えも見せている。やはり、USVIでのラム助成金を不当としているためだ。元記事では触れられていないが、2つの協会の主張は一致しており、今後の動向が注目される。


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