2013年1月11日金曜日

カナディアン・ウイスキー各社、フレーバード商品で活性化図る(シェークンニュースデイリー)

 スコッチ・ウイスキーやアイリッシュ・ウイスキー、アメリカン・ウイスキーなど、新興国市場の人気を背景に、ウイスキー市場の世界的な隆盛が著しい。しかし、その中で取り残された感があるのが、カナディアン・ウイスキーだ。「インパクトデータバンク」の調査によると、2007年〜2011年の間、米国向けカナディアン・ウイスキー出荷は80万ケース落ち込んだという。

 無論、酒造各社は指を咥えて見ているわけではない。シェークンニュースデイリーは、フレーバード商品を用いた(主に米国をターゲットとした)カナディアン・ウイスキーの取り組みについて、伝えている。

Canadian Whisky Marketers Use Flavors To Enliven Category(シェークンニュースデイリー)
http://www.shankennewsdaily.com/index.php/2013/01/07/4811/canadian-whisky-marketers-use-flavors-to-enliven-category/

 ブラウンフォーマン(米)は、保有するウイスキー・ブランド「カナディアンミスト」のフレーバード商品リリースを目指す。マイク・ヘーリング・ブランドディレクターは「近々、バーボンの対抗軸として、カナダのフレーバード・ウイスキーをお見せすることができるだろう」と意気込む。

 また、フィリップスディスティリング(同)の「レベルストーク」、ビーム(同)の「カナディアンクラブ」もフレーバード・ウイスキーの販売に力を入れる。フィリップスディスティリングは、フレーバード・ウオトカ(ウォッカ)「UV」を生産するメーカーで、レベルストークのフレーバード商品4種類を春までに生産したい意向だ。カナディアンクラブは既にカナダ国内で販売している「ドックナンバー57」(写真)を今夏、米国で発売する。同商品はブラックベリーの風味付けをした商品。

 一方、フレーバード商品であるとともにブランディングを行なうことによって拡販を目指すのが、コンステレーションブランド(カナダ)の「ブラックベルベット」と、ディアジオ(英)の「クラウンローヤル」だ。

 ブラックベルベットは、通常版である「オリジナル」に加え、「トーステッドキャラメル」を昨夏、リリースした。通常版の消費者は40〜55歳の男性が中心だというが、トーステッドキャラメルでは24〜35歳の男女がターゲットと、若い世代に訴求する。

 クラウンローヤルは2010年に「ブラック」を、今年の年明けに「メープルフィニッシュト」をリリースした。どちらも高級カテゴリーを意識した商品で、ブラックについては今年、30万ケースの出荷を見込んでいるという(ブランド全体の出荷目標は419万ケース)。

 カナディアン・ウイスキーは米国という一大消費地が隣国に存在したことから、個性豊かな発展を遂げてきた。しかし、米国はもちろん、欧州や日本、そしてカナダ自体も一線の先進国から退きつつある今、ひとつの転換点を迎えているのかもしれない。


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