2012年9月21日金曜日

ベルヴェデールの財務体質に不安要素?――広告出演のブルース・ウィリス氏が現金支払を要求(ハフィントンポスト)

俳優のブルース・ウィリス氏と同氏の法律顧問チームが、「ソビエスキーウオトカ(ウォッカ)」(写真、ポーランド)の親会社であるベルヴェデール(仏)に対し、出演料の現金支払いを求めている。

Bruce Willis Seeks Payment From Sobieski Vodka Deal(ハフィントンポスト)


ウィリス氏はソビエスキーのイメージキャラクターを務めているが、出演料はベルヴェデールの株式が現物支給される形になっているという(なお同社は「ソビエスキーに惚れ込んだウィリス氏が株式を取得した」と宣伝しているが、本件との関連は未確認)。
また、第一報を発信したウォールストリートジャーナルは、ベルヴェデールにはウィリス氏から借入れた2,600万ドル(約20億円)以上の債務が存在すると報じている。
これらの状況からウィリス氏はベルヴェデールに不信感を持ち、今回の要求に至ったものと見られる。
現状は交渉段階にある模様で、ウィリス氏が提訴に踏み切るなどの情報は入っていない。

ベルヴェデールは2011年12月期決算で、EBITDAが890万ユーロ(約9億円)に達したと発表している。
EBITDAは税引前利益から特別損益、減価償却費などを織り込んだ利益高で、前年は160万ユーロ(約1億6千万円)だった。
よって前年比で5倍以上の伸びを見せていることになる。
しかし、米・通信大手だったワールドコムの経営破綻では、設備投資の不正計上によりEBITDAを水増ししていたことが発覚しており、今回の一件でウィリス氏以外の投資家もベルヴェデールにより詳細な財務状況の開示を求める可能性も考えられる(もっとも、現在においても、ベルヴェデールの他にEBITDAを財務諸表の主要項目として採用する欧州企業は散見される)。

なお、ソビエスキーと同じポーリッシュ・ウオトカで「ベルヴェデール」という商品があるが、こちらはルイヴィトンモエヘネシーが保有するブランドで無関係。


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