2013年1月2日水曜日

プエルトリコ・USVIのラム助成金、米国内からも疑問の声――「財政の崖」議論で(CNN他)

House chamber in session
「財政の崖」対策法案を可決した
米連邦議会の議事堂

 米下院は1日(現地時間)、「財政の崖」対策となる関連法案を可決した。上院を既に通過しており、ひとまず危機は回避された格好だ。

 しかし、電動2・3輪車などへの税制優遇措置とともに、プエルトリコ自治区、米領ヴァージン諸島(USVI)で実施されるラム助成金について米国内で疑問の声が挙がっている。

TRENDING: Other nuggets in the fiscal cliff bill: Rum, electric vehicles and motor sports(CNN)
Hollywood Tax Credits, Rum Subsidies, Indian Coal and Scooters: The Senate Fiscal Cliff Bill’s 4 Worst Ripoffs(フロントページマグ.com)
http://frontpagemag.com/2013/dgreenfield/hollywood-tax-credits-rum-subsidies-indian-coal-and-scooters-the-4-worst-ripoffs-in-the-senate-fiscal-cliff-bill/

 ラム助成金は、プエルトリコ、USVIから米国内へラムが移出された際、酒税として一旦徴税されるが、その98%は同地域に還流する仕組み。再投資を促す産業育成のための措置だが、カリブ諸国米本土のラム蒸留業者は関税障壁と同等の効果を持つとして、以前から批判していた(リンク先は関連記事)。元記事によると、助成金を継続する法案が上院で可決された模様で(下院で可決された法案にラム助成金が含まれるかは現時点で不明)、同措置の存在について疑問が呈されている。

 プエルトリコにはバカルディ、ディアジオなど大手の所有するラム蒸留所が存在する(ただし「レッドラム」など独立系蒸留所も同地域に所在)。また昨年、プエルトリコの州昇格案が住民投票で可決しており、今後、米連邦議会が「プエルトリコ州」成立を認める可能性もある。その場合、中小企業の多い本土の蒸留業者から一層の批判が起こることは必至だ。助成金が持つ雇用創出などの経済効果も含め、関係者は今後の舵取りに苦心することになると思われる。


<関連記事>
「課税方式、見直しを」――アメリカン・ウイスキーの酒税問題(WKUパブリックラジオ他)
「スコットランドが独立するならば、連合王国はウイスキー輸出を支援しない」——ウィリアム・ヘイグ外相(デイリー・メール)

0 件のコメント:

コメントを投稿